なかなか商品が売れずに
困っているセールスパーソンと、
なぜだか良くわからないけど
ものすごく売れている
セールスパーソンの違いは
何だかわかりますか?
その1つの秘密は自分の物語を語って
商品を売るストーリーテリングの手法を
使っているかもしれません。
■セールス活動で起こしてしまいがちな
「心理的リアクタンス」とは?
頑張っているけどなかなか売ることができない
セールス初心者がやってしまっている原因の一つに、
製品の効能・機能を中心にセールスを展開してしまい
セールスにつなげられないということが上げられます。
これは、相手に「心理的リアクタンス(抵抗)」と呼ばれる、
心理現象が発生していることが原因となっている場合が多いです。
極端な例として、セールスパーソンがあなたに対して、
「この製品は他社と比べて20%品質がいい
だからあなたにとってこの製品は唯一無二なんです。」
と、突然セールスを展開されたとして、
よほど自分のニーズと合致していない限り、
良い印象を抱く人は少ないかもしれませんよね?
なぜなら人は、自分の行動や選択を
「自分で決めたい」という欲求があるからです。
このように、選択する自由が
外部から脅かされる状況が起きた際に、
「自分の選択する自由」を回復しようとする
心理的反発作用が「心理的リアクタンス(抵抗)」です。
この現象が起こると、たとえ本人にとってプラスになる
内容であったとしても、無意識下で反発が起こり、
結果的に商品購入に結びつく可能性を下げ、
残念な結果を招いてしまいます。
■相手が望んている「価値」を把握しよう。
そんな心理的リアクタンスを発生させずに、
相手に価値を受け入れやすくし、
セールスを円滑にする方法が、
ストーリーで価値を伝える
=「ストーリーテリング」です。
そのストーリーを組み立てる際に肝となるのが、
相手を明確にし、その人にとっての
「価値・ニーズ」を具体的にし、
あらかじめ把握しておくことです。
そのためには、
お客様の「価値、ニーズ、問題の仮説」
のPDCAを行うことが大切です。
相手のとって「価値」が伝わるのは、
1.現状(問題点)
2.問題点を改善するための方法(ニーズ)
3.問題点を改善した姿(価値)
この3点を最初は簡単で構いませんから、
営業しに行くお客様を思い浮かべながら、
仮説を立ててみましょう。
そして、アプローチの初期段階では、
話すことよりも、相手の「何を聞くのか」を
重点的に準備をして自分の仮説と何がちがうのか、
新たなニーズや価値の視点がないかをチェックし、
そのお客様ごとに価値や
ニーズの優先順位を明確にしましょう。
経験が浅ければ、会話をしながら、
「お客さまが気づいていない問題の仮説」を
立てるのは難しいかもしれませんが、
営業先の情報を集め、
相手の話を聞くことに集中することで、
自分の仮説と、営業先の実際の情報を
一致させていくことが必要です。
■「物語」をつくろう!
お客様のことを把握した上で、
自分自身の物語を創りましょう。
生まれたときから
草創期、苦難期、成長期、変化期、再出発‥‥‥
物語は実に多くの示唆、教訓を与えてくれます。
「共感」や「感動」という価値を
ストーリーで伝え、下記の4つの項目において、
ストーリーを書き出ししていきましょう。
1.語り手の情熱
ストーリーに引き込むための前段階として、
なぜ、自分がそのストーリーの話をしようとしているのか
理解し、相手に伝える必要があります。
・商品に出会うまでの自分が生きてきたストーリー
・なぜこの商品を提案するか?
・自分の体験談など
商品の販売につながるストーリーを書き出します。
2.苦難(困難)
内容のすべてが、良い内容
というのは相手に感動を与えず
相手に共感されません。
ストーリーにはとんでもない悪役や、
裏話や苦労話があるからこそ、
勝利や成功などの伝えたいことが際立つわけです。
・貧困から這い上がった
・コンプレックスを乗り越えた
など、困難から始まるストーリーに人は心を揺さぶられます。
3.気付き
運良く成功した人の話は
あまり聞きたいとは誰も思いません。
苦難の中でもがきながら、
解決策を求め、
何かしらの気付きを得た瞬間が
ストーリーのキーポイントです。
NHKのプロフェッショナルや
人物伝のドキュメンタリーを
ご覧になるとわかりますが、
苦難の連続に立ち向かい、
そこから抜け出すための気付きの瞬間や
ブレイクスルーの瞬間を
巧みに演出・映し出されていることに気付きます。
4.結果
ストーリーの結末はハッピーエンド
(幸せや成功がもたらされているもの)であることが必要です。
そうでないと、商品を購入してもらうという
本来の目的から外れてしまいます。
上記から、商品を語るのではなく
自分の罪や過失、失敗談を交えた
物語風なトークが相手を感動させ、
共感を得ることで、
相手に価値を適切に伝えることができます。
この4つの項目を書き出してみることで、
ストーリーの骨格を作ることができます。
これらを意識して、
相手の望んでいる価値に共感されるような、
ストーリーを作り込んでいきましょう。
さらなる具体的な内容はまた次回の記事にて。